ボルト折れ 修正
この間、オイルパンのガスケット交換(正確にはガスケットは液体ガスケットなので貼り替え)の時に折れたボルトの抜き取りです。
場所次第ではとても面倒
出来ればそのまま抜き取りが出来ないか、横着してみます。
この一か所なんですが、どうにか抜き取り出来ないかとやってみますが、やはりドリルが当たらないです。
仕方無いので、再度オイルパンを外します。ボルト折れの抜き取りは、ボルトのセンターにポンチで印を入れてドリルで下穴を開け、で、再度オイルパンを外します。ボルト折れの抜き取りは、ボルトのセンターにポンチで印を入れてドリルで下穴を開け、タップ式のボルト抜きで抜き取ります。
タップ式なので、折れたボルト付近にスペースが必要となり、邪魔なものは取り外す必要が出て来ます。こういう面倒があるので、普段から「規定トルク」が大事と言ってるんですけどね。
それではサクサクと外していきます。前回は写真を何度も撮っていたので時間が掛かりましたが、今回は写真少な目で、作業時間の短縮を図ります。
そうそう、ネジには浸透剤を吹きかけておきます。クレ社のスプレーでなくても「5-56かけておいて」と言われる位、クレ5-56は有名ですが、マフラー回りの固着したネジには高浸透タイプがオススメです。力がとんでもなくあるとか、いい工具を持ってる方以外はこういうスプレーは必要です。
エンジンオイルを抜きオイルエレメントを外し、リヤ側のO2センサーを外します。
マフラー部のネジは今回は2回目なので簡単に外せるのですが、外せない場合バーナーでネジを炙って余分な錆びを焼き飛ばし、ネジを冷やしてネジの回りをバーナーで炙ってネジ穴を広げて緩めるという方法をとる必要があります。勿論新品のネジが必要で、前回はこの方法で取りまして、ネジは新品ですので、流石に固着はしてない・・・筈です。念の為にスプレーをしておきます。
因みに、バーナーはスペースがあれば何でも良いので安物でもいいのですが、時間をかければ小さくてもいいのでアウトドアと兼用の
これを使ってます。また、炙って冷やすのは、冷やす+浸透させるという便利なスプレーを使います。
今回はやはりスプレーだけであっさりと取れ、オイルパンのネジを緩めていきます。
ここのネジは強く締まってる訳では無いので、外すのは苦労はしないと思うのですが、本数が結構あります。外したら、オイルパンをブレーカーバーで隙間を作り、セパレーター・カッターで切っていきオイルパンを外します。
本当は、コツは外す所なんですが、写真を撮りながらが出来ないので残念ながら割愛。
外したら、古い液体ガスケットを剥がして、オイルパンは中性洗剤で洗って干しておきます。
エンジンブロック側はナイロンブラシでゴシゴシして綺麗にします。取り付ける前にシリコンオフで再度綺麗にします。このガスケット、オイルストーンで綺麗にする人が居るそうですが、金属の「目」が消えるので絶対に止めて欲しいとプロは言ってます。
いよいよ本番
今回はこれからが本番です。
もうちょっと出てきてたら「ネジサウルス」なんかで挟んで回すのですが・・・。
折れたネジのセンターにポンチで印を付けます。このポンチ打ち、結構難しいので「オートポンチ」という便利な工具を使います。
センター出しがとても難しいと言われていて、センターが合ってなくて失敗するケースが殆どです。
オートポンチは「ここがセンターだろうな」という所にあてがって、力いっぱい押し込みと「パチン」とポンチ打ちをしてくれます。20回位するのですが、ポンチ+ハンマーだと意外と大変なんです。
センターを出せたと思うなら、次のステップに行きます。次はドリルで下穴開けです。下穴はネジの半分以下の径が良く、今回は2mmで開けていきます。本当は、ネジが普通のネジなのでドリルは穴開け回転とネジ緩め回転が同じ方向になる様に、逆(右)ドリル刃が良いのですが実はセット物しかなく、しかもプロ専用で安売りはしてない(セット物で約2万)ので普通の2mmドリル刃を使います。
金属用で、長いと折れやすいので予備を入れて5本位用意しておきます。ドリルの買わないといけないので、自分は会社のを勝手に使ってます。このドリル、DIYにも使えるので兼用品がいいかと思います。
因みに、時代はエアーツールから電動化の波が来ているのか、タイヤ外しなんかも充電式だったりします。
個人では中華製のインパクトレンチで十分なんですが、丁度いいのが無かったので各自で探して見て下さい。
後、金属加工・穴開けには専用のオイルを使います。
さて、下穴が開いたらいよいよ最大の難関を迎えます。折れたネジに専用工具をタップ立てていき、抜き去るのですが、最初のセンター出し・下穴・タップ立てが全てネジの中心を通らないといけないので、ここは集中します。真っすぐにドリルの下穴が入る様に、治具を作る人も居ます。自分も余ったかなり小さいナットで、ドリルの刃しか通さないようにして作ろうとしましたが失敗・・・。
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出来るだけ真っすぐになる様に、ドリルもタップも立てていきます。
因みに、ボルト抜きはセットで複数個購入、理由は会社に予備がなかったからで、個人でなら必要な太さだけでOKです。このボルト抜きは「ネジが緩む方向」(反時計回り)に回す様に出来てます。回転方向に注意です。また、今回はドリル刃が折れなかったのですが、折れてきて目に直撃すると危険なので防護眼鏡やゴーグルをつけましょう。
そこまで食い込んでなかったので、けっこう簡単に取れて来ました。
ボルト・ナット類は一応綺麗にして取り付けるんですが、上の2本はボルトの太さが変わってるのがわかるでしょうか?
規定トルク=金属同士の摩擦が最大に近くなる=ボルト等の伸びは最大に近くなる、ので規定トルクで締めましょうという事です。今回はオーバートルクで締められていた事が解ります。但し、この変形は前回の修理時に気付いていて、前回は3本あったのでそのうちの1本が規定トルク前に折れたんだと思われます。トルクレンチのせいにしてました・・・。
本当はこのオイルパンのボルトは再利用不可品、全て新品に交換する必要があった部分なので、そういう意味ではプロ失格です。
今回もすべてのボルトを交換しようと考えたのですが、6本までしか都合がつかず(それ以上は納期が1ヵ月以上かかる)取り敢えず悪そうなボルトだけ入れ替えていきます。
組み立ては簡単です。オイルパンとシリンダー側の接着面を脱脂すると、オイルパンに液体ガスケットを塗り乾く前に手早く貼り合わせるのですが、ボルトを6本位手に持っておいて接着面を合わせたらズレない様にしてボルトで仮固定していきます。後は全てのボルト・ナットを入れてから内→外の順で締め込んでいって、トルクレンチで確認します。
O2センサーや取れにくくなりそうなボルトは、カッパーコンパウンドや銅ペーストと呼ばれるものを塗ってから締め付けます。
組付け終わったら、エンジンオイルを入れて漏れてこないか確認です。
漏れてこないみたいなので、これで終了です。
良く自分で作業してボルトを折って、折れたボルトが見えているので「これ簡単に取り出せない?」と聞かれるのですが、今回の作業を見て貰えば解るのですが、とんでもなく面倒です。必要な工具やケミカル剤も増え、場所次第ですが工賃も凄い事になります。先ずは「折らない」事が重要ですね。
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